タッピングハーモニクスは、ギターの弦を右手で叩いて、通常とは違う透明感のある音を出す演奏テクニックです。

アコースティックギターの演奏に取り入れると、メロディーや伴奏にアクセントを加えられます。少し難しい奏法ですが、音が出る場所と右手の動きを意識して練習すれば、初心者の方でも少しずつ身につけられます。

この記事では、通常のハーモニクスとの違い、タッピングハーモニクスのやり方、音を出すコツ、うまくいかないときの対処法を解説します。

 

タッピングハーモニクスとは?

タッピングハーモニクスとは、右手の指で弦をフレット上のポイントに叩きつけ、ハーモニクス音を出す奏法です。

通常のハーモニクスは、弦に軽く触れながら弾いて音を出します。一方、タッピングハーモニクスは、右手で弦を叩く動作によって音を鳴らします。そのため、音が出る場所を正確に狙うことと、叩いた直後に指を離すことが重要です。

タッピングハーモニクスができるようになると、アコースティックギターの音に「ファーン」と広がるような響きを加えられます。

タッピングハーモニクスの3つのポイント

  • 音が出やすいフレットの位置を正確に狙う
  • 右手の指の腹で、弦を勢いよく叩く
  • 叩いた直後に指を離し、弦の振動を残す

通常のハーモニクスとの違い

ギターのハーモニクス音が出るフレット

ギターには、ハーモニクス音が出やすい場所があります。代表的なポイントは4フレット、5フレット、7フレット、12フレット付近です。特に7フレットと12フレットは、比較的音を出しやすい場所です。

ハーモニクスの位置に触れる方法

通常のハーモニクスでは、フレットの真上付近の弦に指を軽く触れます。弦を強く押さえ込まず、触れた状態でピッキングすると、澄んだハーモニクス音が鳴ります。

通常のハーモニクスで弦に触れる指の形

指をフレットに対してできるだけまっすぐにし、弦に軽く触れながら弾くのがコツです。

タッピングハーモニクスのやり方

1. まずは12フレット付近を確認する

最初は、音が出やすい12フレット付近から始めるのがおすすめです。左手でコードを押さえず、開放弦だけで練習すると、右手の動きに集中できます。

2. 右手の指をフレット上に移動する

右手の人差し指または中指を、ハーモニクス音が出るフレットの真上付近に置きます。弦に触れる位置が少しずれるだけでも音が出にくくなるため、最初はゆっくり位置を探してください。

3. 弦を指の腹で叩く

タッピングハーモニクスで弦を叩く位置

狙った位置に右手の指を置いたら、弦を上から叩きます。軽く触れるだけでは音が出にくいので、最初はある程度の勢いをつけてください。

ただし、強く押さえ込む必要はありません。弦を叩いた瞬間に、指が弦を通り過ぎるようなイメージで動かします。

4. スナップを使ってすぐに指を離す

タッピングハーモニクスで指を弾く動き

指を置いたままにすると弦の振動が止まってしまいます。手首や指先のスナップを使い、弦を叩いた直後に指を離しましょう。

タッピングハーモニクスで指を離す動き

うまくいくと、通常の音とは違う高く伸びるようなハーモニクス音が鳴ります。最初から大きな音を出そうとせず、まずは一瞬でも音が鳴る感覚をつかみましょう。

タッピングハーモニクスのコツ

音が出る場所を少しずつ探す

音が出る位置は、ギターの種類や弦の状態によっても微妙に変わります。フレットの真上を中心に、右手の位置を少しずつ前後に動かしてみてください。

強さよりも指を離す速さを意識する

音が出ないときは、叩く強さだけを上げるのではなく、叩いた直後に指を離せているかを確認しましょう。指が弦に残っていると、振動が止まり音がこもります。

ギターを安定させる

右手で指板を叩くため、ギター本体が動くと狙った場所に当てにくくなります。座って練習する場合も、ギターを体にしっかり固定してください。ストラップを使うと、ネックが安定して右手を動かしやすくなります。

アンプや録音機器で音を確認する

エレアコを使っている場合は、アンプにつないで練習すると、音が鳴っているか確認しやすくなります。生音では小さく聞こえる場合もあるため、音量を上げすぎないよう注意しながら確認してください。

うまく音が出ないときの対処法

症状 確認するポイント
音がまったく出ない ハーモニクスの位置からずれていないか、指を叩いた直後に離しているか確認する
音がこもる 弦を押さえ込みすぎていないか、指が弦に残っていないか確認する
ギターが動いてしまう ストラップを使い、座り方と右腕の位置を安定させる
音が小さい 叩く位置を微調整し、指先のスナップを使って素早く離す

初心者向けの練習方法

  1. 開放弦を1本選び、12フレット付近で位置を探す
  2. 右手で軽く触れて通常のハーモニクスを鳴らす
  3. 同じ場所を右手の指で叩き、すぐに離す
  4. 音が出たら、同じ動きを5回繰り返す
  5. 慣れてきたら7フレット付近やコード演奏にも挑戦する

1回の練習を長く続けるよりも、1日5分程度を毎日続ける方が、右手の動きを身につけやすくなります。

タッピングハーモニクスができません。初心者でも練習できますか?
練習できます。最初は12フレット付近の開放弦だけを使い、音が出る位置を探してください。ギターを安定させ、弦を叩いた直後に指を離すことを意識すると、音が出やすくなります。
強く叩けば大きな音が出ますか?
強く叩くだけでは、きれいな音になりません。叩く位置の正確さと、指をすぐに離す動作が大切です。まずは音が出る場所を見つけてから、少しずつ力を調整しましょう。
エレアコで練習してもよいですか?
もちろん大丈夫です。アンプにつなぐと小さなハーモニクス音も確認しやすくなります。音量は控えめに設定し、耳に負担がかからないように練習してください。

まとめ

今回は、アコースティックギターの奏法「タッピングハーモニクス」のやり方とコツを紹介しました。

タッピングハーモニクスは、次の3点を意識すると練習しやすくなります。

  • ハーモニクス音が出る位置を正確に狙う
  • 右手の指で弦をしっかり叩く
  • 叩いた直後に指を離す

最初は音が出るまでに時間がかかるかもしれません。しかし、一度コツをつかめば、演奏に印象的なアクセントを加えられるようになります。無理に力を入れず、まずは1日5分から練習してみてください。

今回の記事が、タッピングハーモニクスに挑戦する際の参考になれば幸いです。